日本人の主食であり、日本料理の中心に位置する食材が米です。以前は金属製の釜を使って米を炊いてご飯をつくっていましたが、今ではどのほとんどの家庭がご飯を炊く専用の調理器具である炊飯器を使っています。簡単においしいご飯が炊ける炊飯器は1960年代以降急速に普及しました。
日本の炊飯器は、日本の粘り気の多い米を炊くために加熱パターンなどを最適化しており、誰でもおいしいご飯が炊けるように工夫されている。また、好みの炊き加減(硬い、柔らかいなど)も選択できる。普通のご飯だけでなく、炊き込みご飯、おこわ、おかゆなどを適した火力でおいしく炊ける業務用炊飯機器も登場している。
米の主成分はデンプンです。
生の米のデンプンはいくつものブドウ糖が連なってできていて、そのままでは食べても消化できず、うまみを感じません。この状態のものをβデンプンと言います。これに水を加えて加熱すると、デンプン粒が水を吸収して膨張し、糊状の物質に変わります。これをデンプンの糊化(α化)と言います。
つまり、炊飯というのは、そのままでは食べられないβデンプンを、おいしく消化のよいαデンプンに変える作業なのです。α化のための加熱は、98℃以上の温度を20分以上維持することが必要です。
炊飯には、「計米 → 洗米 → 加水 → 浸漬 → 炊飯(加熱)→ 蒸らし → ほぐし」という一連の作業が必要になります。洗米の仕方や、米を水に浸して水分を吸収させる浸漬の時間、炊き方の違いなどでご飯の味は大きく変わります。
情報提供:フジマック